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株の週間損失上限|3-4%で連敗の引き伸ばしを止める設計
by @kabueng55
「1取引の損切りは守れているのに、週の終わりには想定外のドローダウンになっている」「月曜は慎重なのに金曜は取り返そうとしてルールを破る」——個人投資家の資金管理で見落とされがちなのが、週間単位の損失ライン です。
結論から言うと、週間損失上限(総資金の3-4%)は、1取引あたりの損切りと月間ストップアウトの間に置く中間ブレーキであり、連敗の引き伸ばしを週のうちに止めるための設計です。 1取引1-2%だけでは防げない「週をまたいだ負けの積み上がり」を、構造的に封じます。
Hiro (@hiro_fx1218) のような X の声では、「資金管理のルールは調子が良いときほど厳しく守る」「連勝後に油断してサイズを上げた瞬間が最も危険」「退場しない仕組みを作ることが戦略より先に来る」という整理が共有されています。X の株クラでも、月初に-3%を出した直後にリベンジトレードに走り月末には-12%まで膨らんだ経験談、月間-6%で機械的に休む運用に切り替えてからドローダウンが安定した紹介、なども広く共有されています。週間ラインは、この膨らみを 週の段階で止める ための中間装置です。
@bottsukuttemita のような声では、2σ逆張りはレンジ相場では有効でもトレンド相場ではバンドウォークに巻き込まれて連敗する、という注意喚起が紹介されています。連敗が週をまたぐ前に、数値で新規を止める設計が必要になります。
私が週間ラインを導入したのは、月間上限に到達する直前まで気づかず、金曜の午後に一気にルールを破っていた時期があったからです。日次は守れていても、週の累計を見ていなかったのが原因でした。
この記事では、3層の損失上限の中での週間ラインの位置づけ、3-4%の根拠、到達時の運用ルール、金曜の取り返し対策、記録による可視化を順に解説します。月間設計は 株の資金管理、日次上限の数値検証は 日次損失上限の検証、リベンジ対策は リベンジトレードのやめ方 で別途整理しています。
3層の損失上限——週間は中間ブレーキ
資金管理は3層で設計するのが基本です。週間ラインは 第2層 に位置づけます。

| 層 | 上限目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 第1層: 1取引 | 1-2% | 個別トレードの防衛 |
| 第2層: 週間 | 3-4% | 連敗の中間ブレーキ |
| 第3層: 月間 | 6-8% | ストップアウト・完全停止 |
第1層だけだと、1%×4連敗で4%削れ、さらにリベンジでロットを上げれば週のうちに6-8%に到達しやすくなります。週間3-4%は、その手前で新規エントリーを止める 中間防衛ライン です。
書籍 M. シュワッガー『マーケットの魔術師』(パンローリング) に登場するプロトレーダーの多くは、日次だけでなく週次・月次の損失ラインを持っていることが繰り返し触れられています。個人投資家でも、週間ラインを抜けると月間ストップアウトまでの距離が一気に縮まります。
週間3-4%の根拠
週間損失上限を3-4%に置く根拠は、1取引あたりのリスク設計との整合 にあります。
1取引1%ルールを守っている場合:
- 4連敗で理論上4%のドローダウン
- リベンジでロットを1.5倍にすると、同じ4連敗で6%近い削れ
週間3-4%は、「4連敗相当の水準」で新規を止めるラインとして機能します。3%に設定すれば保守的、4%ならやや余裕を持たせた設計です。
ドローダウン回復の非対称性 も背景にあります。口座が10%削れると、元に戻すには約11%の利益が必要です。20%削れれば約25%、30%削れれば約43%が必要になります。週のうちに3-4%で止めておけば、翌週の回復負担は小さく済みます。この非対称性は 株の資金管理 でも月間ラインの根拠として整理しています。
私の運用では、週の累計損失が3%に近づいた時点で新規エントリーを半減し、3.5%で完全停止する 2段階ブレーキ を使っています。いきなり3%で全停止すると、月の半分が使えなくなる週が続くため、段階的に絞る方が心理的にも続きやすいです。
週間上限到達時の運用ルール

週間損失上限に達した(または到達間近の)ときは、次の4ステップで動きます。
ステップ1: 新規エントリーを即停止 既存ポジションの処理は続けてもよいですが、新規は入れません。ここで「少しだけ様子見エントリー」を許すと、ほぼ確実にリベンジにすり替わります。
ステップ2: 既存ポジションは事前ルールで処理 週間上限に達してから損切り幅を広げるのは禁止です。エントリー時に決めた撤退基準に従い、淡々と処理します。
ステップ3: 週末の取り返し衝動を封じる 金曜午後は「今週プラスで終わりたい」という期間意識が強まります。週間上限到達週の金曜は、新規ゼロ・引け前にポジション解消 を原則にすると安全です。
ステップ4: 翌週月曜に振り返りから再開 月曜はいきなり通常サイズに戻さず、ポジションサイズ50%から再開します。今週の連敗パターン(時間帯・銘柄・心理)を5分で振り返ってからエントリーするのが最低限の復帰条件です。
復帰の3段階モデル(月間ストップアウト後と同型)を週単位に縮小したものです。
| 段階 | 条件 | ポジションサイズ |
|---|---|---|
| 観察 | 週間上限到達週の残り日数 | 新規ゼロ |
| 縮小再開 | 翌週月曜〜水曜 | 通常の50% |
| 通常再開 | 縮小週でルール遵守できた場合 | 100% |
縮小週に再度週間上限の80%に触れた場合は、その週も新規ゼロに戻します。2週連続で上限に触れるなら、月間ラインに近づいているサインとして 月間損失上限の見直し を検討します。
金曜の取り返し衝動——週間ラインが効く局面
週間損失上限が特に効くのは 金曜の午後 です。
行動経済学では、期間の区切り(週末・月末)に損失を認めたくない傾向が知られています。学術 カーネマン『ファスト&スロー』(早川書房) で整理されている損失回避の心理が、週末前に強まると、根拠の薄いエントリーが増えます。
対策は2つです。
- 週間上限の80%で早期ブレーキ(3%上限なら2.4%で新規停止)
- 金曜14時以降は新規エントリー禁止(週間損失がマイナスの週のみ適用でも可)
X のトレード系コミュニティでも、「金曜の午後に負けを取り返して週末を台無しにした」という経験談は頻繁に共有されています。週間ラインは、この典型パターンを 数値で先回りして止める 仕組みです。
日次・週間・月間の連動設計
3層は独立ではなく、連動して設計します。
発動の優先順位(下に行くほど強い停止)
- 日次2-3%到達 → その日終了
- 週間3-4%到達 → その週の新規停止
- 月間6-8%到達 → ストップアウト(当月完全停止)
日次だけ設定している投資家は多いですが、日次を守っても週をまたぐと負けが積み上がります。逆に月間だけだと、到達するまで止められません。週間ラインは 月間ストップアウトの手前で必ず一度止まる チェックポイントです。
日次損失上限のモンテカルロ検証 では、日次上限単体ではリターンの中央値は変わらない一方、下方テールをわずかに切る効果があることが示されました。週間・月間はシミュレーションの対象外ですが、連敗の引き伸ばしを止める運用設計 として現実的な価値があります。
週次振り返り——ルール遵守率を測る
週間損失上限は、数値を決めるだけでは機能しません。週次でルール遵守率を測る 習慣が必要です。
週末5分のチェックリスト:
- 今週の最大ドローダウンは何%だったか
- 週間上限に達したか、80%ラインで止められたか
- 上限到達後にルールを破った取引はあったか
- 連敗が3件以上続いた区間はあったか
- 金曜に新規エントリーしたか(損失週の場合)
項目3と5が特に重要です。上限を破った回数が記録に残ると、次週は同じ崩れ方を先回りしやすくなります。一貫性の高め方は トレードの一貫性を高める でも整理しています。
週次サマリーの書き方(テンプレート)
【今週のサマリー】
- 週間DD最大: ___%
- 週間上限到達: はい / いいえ
- 連敗最大: ___連敗
- ルール違反: ___件
- 金曜新規: あり / なし
- 来週のサイズ: 50% / 100%
1行ずつ埋めるだけで、月次振り返りの素材になります。habitre で負けトレードを選んで残しておけば、上記の「連敗最大」「ルール違反」の根拠データが自然に揃います。
週間ラインでよくある失敗パターン
週間損失上限を導入しても、次の3パターンで形骸化しやすいです。
失敗1: 週の累計を見ていない 日次損益だけ記録し、週の合計を計算しない。金曜に気づいて一気にルールを破る典型です。前節のスプレッドシート1行で足ります。
失敗2: 上限到達後に既存ポジションの損切りを広げる 「もう上限だから」と損切り幅を広げるのは、上限の意味を逆に使っています。到達後は新規ゼロ+既存は事前ルール厳守が原則です。
失敗3: 月曜にいきなり100%サイズで再開 週間上限に触れた週の翌月曜は、必ず50%から再開します。1週で元のサイズに戻すと、同じ崩れ方を繰り返しやすくなります。
私も失敗2をやったことがあります。週間3.2%で新規は止めたのに、含み損ポジションの損切りを「様子見」に変えて週末に-5%まで膨らんだ。上限は新規だけ止めても、既存の手放しを甘くすれば意味がありません。
週次の負けパターンを記録する——habitre(β・無料)
週間ラインの運用では、「どの週に上限に近づいたか」「その週の負けトレードに共通点はあったか」を後から見返せると、ルールの精度が上がります。
habitre(loop.nitekabu.com・無料)は、残したい取引だけを30秒で記録するハイライトジャーナルです。週の終わりに負けトレードだけを並べて眺めると、連敗の引き金(時間帯・銘柄・心理)が見えてきます。心理5段絵文字(😣😟😐🙂😆)で記録された週内の分布が、振り返りチェックリストの補助データになります。
アプリストア不要で、SafariからアクセスしてiPhoneのホーム画面に追加して使えます(PWA)。
週間損失の見える化——スプレッドシート1行で足りる
週間ラインを運用するうえで、毎日の損益を「週の累計」に足し込む仕組みが必要です。高機能なツールは不要で、スプレッドシートに次の列を1行ずつ追記するだけで十分です。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| A | 日付 |
| B | 当日損益(口座比%) |
| C | 週累計(Bの週内合計) |
| D | 週間上限到達フラグ(Cが-3%以下で1) |
C列に =SUM(B2:B6) のような週内合計を入れておけば、金曜の午前中に「あと何%で上限か」が一目で分かります。D列が1になった週は、週次サマリーのテンプレートを必ず埋める——この2点だけで、週間ラインは形骸化しにくくなります。
ポジションサイジングの計算 で1取引1%を設計している場合、B列の当日損益は「その日の確定損益 ÷ 月初口座残高」で概算できます。厳密さより 毎日同じ計算式で一貫して測る ことが先です。
まとめ
- 週間損失上限(3-4%)は、1取引と月間の 中間ブレーキ
- 4連敗相当の水準で新規エントリーを止め、連敗の引き伸ばしを封じる
- 金曜の取り返し衝動には 80%早期ブレーキ と 午後の新規禁止 が有効
- 週次振り返りでルール遵守率を測り、翌週のサイズを調整する
1取引の損切りを守ることは入口にすぎません。週のうちに一度、必ず立ち止まるラインを引いておく——それが週間損失上限の役割です。まずは今週の累計損失を確認し、3%に近づいたら新規を半分にする、そこから始めてみてください。
// faq
よくある質問
Q. 週間損失上限はなぜ3-4%なのですか?
A. 1取引1-2%の損切りを4連敗すると理論上4-8%のドローダウンに達します。週間3-4%は、その手前で新規エントリーを止める中間防衛ラインとして機能します。月間6-8%のストップアウトより手前でブレーキをかける設計です。
Q. 週間上限に達したら何をすればよいですか?
A. 新規エントリーを停止し、既存ポジションは事前に決めた撤退基準に従って処理します。週末まで取り戻そうとするリベンジトレードは避け、翌週の月曜からルール遵守率を見直して再開します。
Q. 日次損失上限と週間損失上限はどう使い分けますか?
A. 日次はその日の強制終了(2-3%)、週間は連敗の引き伸ばし防止(3-4%)、月間はストップアウト(6-8%)です。日次だけでは週をまたいだ負けが積み上がるため、3層を併用するのが正しい設計です。
Q. 金曜に週間上限に近づいたときはどうしますか?
A. 金曜は取り返し衝動が強まりやすいため、週間上限の80%(例: 3%なら2.4%)で新規停止する早期ブレーキを設ける運用が現実的です。週末をまたいでポジションを持たないルールと組み合わせると効果的です。
Q. 週間損失上限はデイトレードでも使えますか?
A. 使えます。デイトレードでは日次ラインとの併用が特に重要です。1日の負けが翌日にリベンジとして連鎖する前に、週単位で累計損失を見る習慣をつけると、連敗の引き伸ばしを構造的に止められます。