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チャートパターン記録アプリ 6 選|全件型 vs ハイライト型の使い分け
by @kabueng55
「トレード記録アプリを探しているが、種類が多すぎてどれを選べばよいか分からない」「カビュウや Tradervue の名前は聞くが、自分に合うか分からない」——個人投資家からよく聞く悩みです。結論から言うと、トレード記録アプリは「全件記録型」と「ハイライト型」の 2 系統に大別でき、自分の継続性と目的によって選ぶべき系統が違います。 全件型は統計分析に強く上級者向け、ハイライト型は続けやすさに振っていて初心者・挫折経験者向けという棲み分けです。
私自身がチャートパターン投資に真剣に取り組み始めたとき、投資書籍でカップ&ハンドルを知り「使えるようになりたい」と思い立ちました。当時は形で銘柄を見つけるツールが存在せず、四季報を全ページ手作業でめくって候補を探しました。その不便さが nitekabu のコアアイデアになり、「見つけた後の記録も手作業では続かない」という問題意識が記録ツールを真剣に比較するきっかけになりました。本記事はその経緯から、作る側にも回ったうえでの整理です。
事実根拠としては、書籍 M. シュワッガー『マーケットの魔術師』(各巻・パンローリング) でも、長期で勝ち続けているトレーダーの多くが何らかのジャーナリングを 5 年以上続けていることが繰り返し触れられています。書籍 マーク・ダグラス『ゾーン — 相場心理学入門』(パンローリング・2002 年) では、フォーマットそのものより「記録を継続できる仕組み」を持つことの重要性が強調されており、続かないツールに高額を払うリスクが触れられています。
実際、朝パン (@asapan_fx) のような X の声では、「トレード記録を作る時にいちばんネックなのが『めんどいこと』これに尽きる。いろんな手法を試して途中で暴君になったりしていると記録をつける気も起きない。だからめんどさを極限に抑えた記録方法じゃないとできない」と、続けるための前提として「面倒くささをいかに削るか」が本質だと整理されています。X の株クラでも、Notion でトレード記録を始めたが 1 ヶ月で挫折し、その後ハイライト方式に切り替えてから 3 年続いている、という運用例も共有されており、項目数を絞った方が続くという観察が広く支持されています。
つまり、トレード記録アプリ選びは 「自分が全件記録に耐えられるか」を先に判断 してから、その答えに合う系統を選ぶのが順番として正しい設計です。この記事では、記録アプリに求める 5 つの要件、3 つのカテゴリ (全件記録型 / ハイライト型 / 自由メモ型) の整理、カビュウ / Tradervue / Edgewonk / Notion・Excel / 手書きノート / 近日公開のハイライト型アプリ の 6 つを公平に比較、評価比較表、最後に自分に合うものを選ぶ判断軸を順に解説します。記録の前提となる振り返りルーティンは トレード振り返りの方法 と 投資 日記 書き方 で別途整理しているので、合わせて読むとアプリ選びの基準がクリアになります。
トレード記録アプリに求める 5 つの要件
アプリ選びの前に、まず「記録アプリに何を求めるか」を整理しておきます。要件が曖昧なまま選ぶと、機能が多すぎて使いこなせないか、足りなくて乗り換えになります。

個人投資家が記録アプリに求める要件は次の 5 つに集約できます。
- 要件 1: 記録速度 (1 件あたり 30 秒〜5 分のどこに収まるか)
- 要件 2: 形状記録 (チャートパターンを構造化して残せるか)
- 要件 3: 心理記録 (エントリー時と決済時の心理状態を残せるか)
- 要件 4: 振り返り動線 (過去ログを並べ替えて検索できるか)
- 要件 5: 継続しやすさ (3 ヶ月以上続く設計になっているか)
5 要件のすべてを高水準で満たすアプリは存在しません。どれを優先するかで、選ぶべき系統が変わります。たとえば記録速度を最優先するならハイライト型、振り返り動線を最優先するなら全件記録型、自由度を最優先するなら自由メモ型、という形で噛み合いが決まります。
私自身は要件 5 (継続しやすさ) を最優先しています。半年以上続かないアプリは、どんなに高機能でも実質的な価値ゼロだからです。要件 1 (記録速度) は要件 5 と直結する重要要件で、1 件 5 分以上かかる設計は経験上ほぼ続きませんでした。
記録アプリの 3 つのカテゴリ (全件記録型 / ハイライト型 / 自由メモ型)
トレード記録アプリは設計思想で 3 カテゴリに分類できます。

カテゴリ 1: 全件記録型 証券口座と Web 連携して全取引を自動取込みし、統計分析を行う系統。母集団が大きいほど統計の妥当性が増す前提で設計されている。代表: カビュウ Prime / Tradervue / Edgewonk。
カテゴリ 2: ハイライト型 全件記録ではなく、印象に残った数件だけを 30 秒程度で残す系統。続けやすさを最優先する設計思想。代表: 近日公開のハイライト型アプリ (新興・2026 年 5 月 β 公開済み)。
カテゴリ 3: 自由メモ型 専用機能を持たず、汎用ツールでテンプレを作って運用する系統。自由度は最高だが、設計を自分で行う必要がある。代表: Notion / Evernote / Excel / 手書きノート。
3 カテゴリの違いは、「ツール側がどこまで構造化を担保するか」 の差です。全件記録型はツール側が構造を強く規定し、ハイライト型は構造は緩いが速度を担保し、自由メモ型は構造そのものをユーザーに委ねます。
挫折確率の観点では、自由メモ型と全件記録型が両端で高めです。自由メモ型は設計負荷で挫折し、全件記録型は記録量の重さで挫折します。ハイライト型は中間で、「全件は無理だが何か残したい」という層に刺さる設計です。
比較 1: カビュウ (全件記録型・国内最大手)
カビュウ (https://kabu.com/kabuyou/) は、国内のトレード記録 SaaS で最大手とされる存在です。公式ページを確認した範囲では、証券口座と Web 連携して全取引を自動取込みし、損益自動集計・統計可視化を提供する構成に見えます。
強み
- 国内サービスで日本語前提・国内主要証券口座との連携実績がある
- 全件自動取込みで手入力負荷が低い (Prime 版)
- 損益集計・成績推移・損益分布などの統計画面が充実 (公式ページ上の紹介)
- 個別株 / 信用 / 投信 / 米株 など複数アセットに対応
弱み
- Prime 版は有料で、初心者には初期コストが高めに感じる可能性
- 全件記録前提なので、ハイライト的な使い方には向かない
- 心理ログやエントリー根拠は手入力が必要 (自動化できない領域)
向いている投資家像
- 月 30 件以上の取引があり、統計分析を本格的にしたい上級者
- 国内主要証券口座を複数使っており、損益集計を一元化したい
- 全件記録に対するモチベーションが既に確立されている
私自身は実際に Prime 版に課金して使ったことはないので、細部の使い心地までは断定できません。公式ページから読み取れる設計思想は「データを最大化して統計の妥当性を上げる」路線で、これは方向性として一貫しています。
比較 2: Tradervue (全件記録型・米国老舗・英語)
Tradervue (https://tradervue.com/) は、2011 年スタートの米国の老舗トレード記録 SaaS です。公式ページを見た範囲では、CSV インポート・タグ管理・統計集計が中核機能に見えます。
強み
- 2011 年から続く老舗で、機能の完成度が高い (公式ページ上の紹介)
- CSV インポートで複数ブローカーに対応
- タグ管理でセットアップ別の統計が取れる設計
- 英語圏のプロトレーダー界隈で使用率が高いとされる
弱み
- 英語のみ (日本語インターフェースなし)
- 米国市場前提の作りで、日本株の細部 (信用 / 制度信用 / 一般信用) の扱いが分かりにくい
- 月額制で、為替次第で日本円換算の負担が変動
向いている投資家像
- 英語に抵抗がない上級トレーダー
- 米株中心で取引している
- セットアップ別の統計を厳密に取りたい
私は触ったことがないので、実際の操作感までは分かりません。公式ページから読み取れる設計思想は「全件をルール化して、タグで多面的に分析する」路線です。
比較 3: Edgewonk (有料・統計重視・英語)
Edgewonk (https://edgewonk.com/) は、Tradervue よりさらに統計と心理タグの細密化に振った印象の有料 SaaS です。公式ページを確認した範囲では、心理タグ・自動エクスポート・AI 風の分析機能が紹介されています。
強み
- 心理タグの細密化が強み (公式ページ上の紹介)
- 自動レポート機能で月次振り返りが楽になる設計
- 英語圏のスキャルパー界隈で評価が高いとされる
弱み
- 英語のみ
- 有料 (年額制) で、機能を使いこなせるレベルに達するまでコスト負担
- 全件記録前提なので、ライトユーザーには重い
向いている投資家像
- 心理面の分析を本格的にしたいスキャルパー / デイトレーダー
- 英語に抵抗がない上級者
- 統計レポートを月次で読み込む習慣がある
公式ページから読み取れる設計思想は「全件を統計と心理で多面解析する」路線で、Tradervue よりさらに分析寄りに振った印象です。
比較 4: Notion / Excel テンプレ (自由度高・自作型)
Notion (https://www.notion.so/) や Excel / Google スプレッドシートを使って、自分でテンプレを設計する自由メモ型のアプローチです。
強み
- 自由度が最高 (項目もフォーマットも自分で決められる)
- 既に使っているツールなので追加コストなし
- 思考の整理に直結 (文章で書ける)
弱み
- 設計を自分でしないといけない (始めるまでに時間がかかる)
- 1 件あたり 5 分以上かかる傾向で、続かない確率が高い
- 検索性は Excel / Notion なら高いが、手書きノートだと低い
向いている投資家像
- 自分でフォーマットを設計したい
- 既に Notion / Excel ヘビーユーザー
- 思考整理を文章で行いたい
私自身、過去に Notion で 3 種類の Excel テンプレを試しましたが、いずれも 1 ヶ月以内に挫折しました。1 件あたり 5-10 分かかる運用は、引け後の疲れた頭ではどうしても続きませんでした。「自由度の高さ」と「続けやすさ」はトレードオフで、自由度を取ると続かないという経験を、自分自身で 3 回繰り返しました。
比較 5: 手書きノート (アナログ・棚卸し用)
手書きのノートに記録する完全アナログのアプローチも、根強く支持されています。
強み
- 思考が整理される (書くスピードが脳に最適)
- テンプレ強制がなく自由度が高い
- 棚卸し用として強力 (月末の振り返りで効く)
弱み
- 検索性ゼロ (過去ログを探せない)
- 量が増えると参照不能
- スマホで持ち歩けない
向いている投資家像
- 短期で集中して振り返る (1-2 週間単位)
- 思考整理をアナログで行いたい
- 月末の棚卸しを紙でやりたい
手書きは記録というより「振り返り時の思考整理」用途で強いです。日常記録は別のツールで、月末の振り返りだけ手書きノートで、というハイブリッド運用も成立します。
比較 6: 近日公開のハイライト型アプリ (ハイライト型・国内・Free)
近日公開のハイライト型アプリ (loop.nitekabu.com) は、僕 (kabueng55) が開発した ハイライトジャーナル方式のトレード記録 PWA です。最大の特徴は 「全部書かなくていい・残したい 1 件から 30 秒で」 という思想で、全件記録に挫折した人向けに設計しています。

形状パターンを 10 種類のプルダウンから選び、心理は 5 段絵文字 (😣 悔しい / 😟 焦り / 😐 平静 / 🙂 満足 / 😆 高揚) をタップするだけ。後から「ダブルボトムでエントリーしたトレード」のように形状フィルタで並べ替えて振り返れます。β 版を無料公開中です (2026 年 5 月公開)。Safari でアクセスして iPhone のホーム画面に追加するとアプリのように使えます (アプリストア不要)。
強み
- 1 件 30 秒の記録設計 (全件型と比べて 1/10 の時間)
- 形状パターン (10 種) × 心理絵文字 (5 段) の組み合わせ記録
- 国内サービスで日本語前提
- Free (β 段階・1-2 ヶ月の様子見期間)
- Contribution Graph (GitHub の “草” 風) で継続が視覚化される
弱み
- β 段階で機能拡張中 (統計画面・損益自動取込み・月次サマリは未実装)
- 全件統計を取りたい人には向かない (ハイライト型の思想なので構造的に外している)
- 国内対応のみ (米株対応は当面なし)
向いている投資家像
- 過去にカビュウ / Tradervue / Notion / Excel で挫折した経験がある
- 全件記録より「印象に残った取引だけ振り返る」スタイルの方が自分に合う
- スイング中心で取引頻度が週 5-20 件程度
- 心理面の記録を文章ではなく絵文字スケールで残したい
開発者として書いているので公平性に欠ける部分があると思いますが、強みだけでなく弱みも 3 つきちんと挙げました。β 段階での未実装機能は、6 月後半から順次 hotfix で追加していく予定です。
6 アプリの 5 要件 × 評価比較表
ここまでの 6 アプリを、要件 5 つで比較表に整理します。
| アプリ | 記録速度 | 形状記録 | 心理記録 | 振り返り動線 | 継続しやすさ | 料金 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| カビュウ Prime | 中 (自動取込み + 手入力) | △ (タグで代用) | × (手入力) | 高 (統計画面) | 中 | 有料 |
| Tradervue | 中 (CSV インポート) | △ (タグで代用) | △ (タグで代用) | 高 (統計画面) | 中 | 有料 |
| Edgewonk | 中 (CSV インポート) | △ (タグで代用) | ○ (心理タグ) | 高 (統計画面) | 中 | 有料 |
| Notion / Excel | 低 (1 件 5-10 分) | ○ (自作可) | ○ (自作可) | 中 (自作次第) | 低 | 無料 |
| 手書きノート | 低 (1 件 5-10 分) | ○ (自由) | ○ (自由) | 低 (検索不可) | 中 | 無料 |
| ハイライト型 (β) | 高 (1 件 30 秒) | ○ (10 種プルダウン) | ○ (5 段絵文字) | 中 (時系列 + 形状フィルタ) | 高 | Free (β) |

評価軸ごとに優位なアプリが違うので、「自分が最優先する要件は何か」を先に決める ことが選び方の核心になります。記録速度を優先するなら 近日公開のハイライト型アプリ、統計の精緻さを優先するなら Edgewonk か Tradervue、自由度を優先するなら Notion か手書き、国内対応と統計の両立を求めるならカビュウ Prime、という棲み分けです。
5 要件のうち 3 つ以上で高評価のアプリを選ぶのが、初心者の現実的な落とし所だと思います。複数試して 3 ヶ月以内に最終形を決める、というスタンスで進めるのが安全です。
まとめ - 全件記録に挫折した人にはハイライト型が向く
トレード記録アプリ 6 選について、本記事で整理した要点を改めて並べます。
- 記録アプリは 3 カテゴリ: 全件記録型 / ハイライト型 / 自由メモ型
- 5 要件で比較: 記録速度 / 形状記録 / 心理記録 / 振り返り動線 / 継続しやすさ
- 全件記録型 (カビュウ / Tradervue / Edgewonk) は統計分析を本格的にしたい上級者向け
- 自由メモ型 (Notion / Excel / 手書き) は自由度高だが続けにくい
- ハイライト型 は続けやすさに振った新興路線
- 自分の継続性と目的によって選ぶべき系統が違う
最後に、選び方の判断軸を 1 つだけ書きます。過去に全件記録型 (カビュウ / Tradervue 等) や Excel テンプレで 1 度でも挫折した経験があるなら、ハイライト型を 1 ヶ月試してみてください。設計思想が真逆なので、自分に合う方が見つかる可能性が高いです。逆に、全件記録で 3 ヶ月以上続いている方は、そのまま継続するのが最適解です。乗り換えコストは想像以上に大きいので、続いているものを変える必要はありません。
記録した内容を実際に振り返る運用については トレード振り返りの方法 で、投資日記の全体像と続け方については 投資 日記 書き方 で別途整理しています。チャート分析ツール全般の選び方は チャート分析ツール おすすめ 5 選 と 株 スクリーニング おすすめ 5 選 を併せて参照してください。
本記事は個人の見解です。特定銘柄の推奨ではなく、投資判断はご自身でお願いします。記事中の数値は記載時点のもので、最新値と異なる可能性があります。
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よくある質問
Q. 全件記録型とハイライト型はどちらが続きやすいですか?
A. 個人投資家の挫折率は全件記録型の方が高い傾向にあります。ただし統計分析を本格的にやりたい上級者には全件記録型が必須です。挫折経験がある方や、これから始める方にはハイライト型の方が摩擦が低く続きやすい設計です。
Q. カビュウは無料で使えますか?
A. 基本機能は Free 版があり、Prime 版が有料です。公式ページを確認した範囲では、Prime 版で証券口座連携や詳細な統計分析が解禁される構成に見えます。最新の料金は公式ページで確認してください。
Q. Tradervue は日本語に対応していますか?
A. 公式ページを見た範囲では英語のみで、日本語インターフェースは提供されていないように見えます。英語に抵抗がない上級トレーダー向けの選択肢です。
Q. Excel テンプレと専用アプリのどちらを選ぶべきですか?
A. まずは Excel か手書きで 3 ヶ月続けてみて、自分が何を記録したいかが固まってから専用アプリを検討するのが現実的です。最初から専用アプリを選んでも、何を記録するか定まっていないと使いこなせません。
Q. 近日公開のハイライト型アプリ はいつ使えるようになりますか?
A. 2026 年 5/30 (土) 夜に β を Free でお披露目しています。loop.nitekabu.com からアクセス可能で、Safari でホーム画面に追加するとアプリのように使えます。